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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻4号

2004年04月発行

ラボクイズ

3月号の解答と解説

著者: 牟田正一1

所属機関: 1国立診療所福岡東病院臨床検査科

ページ範囲:P.333 - P.333

文献概要

【問題1】 解答:③破砕赤血球

 赤血球が血管を循環中にフィブリンや人口弁などの障害物に引っかかり,血流によって引き裂かれると赤血球膜はただちに再閉鎖する性質があるためヘモグロビンがすべて放出されることなく破砕赤血球として残存する.そのため正常の赤血球よりも小さく,引き裂かれた部位が鋭角や突起状で形態は極めて多彩で小球状,ピラミッド状,ヘルメット状などと形容できるものから,たとえようのない形態のものも見られる.破砕赤血球の出現は臨床的意義が高く重篤な病態の場合が多いので迅速に赤血球破砕の原因を検索することが重要である.考えられる病態としては細血管障害性溶血性貧血(microangiopathic hemolytic anemia,MAHA)に含まれる溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome,HUS),血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura,TTP),播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC),免疫異常による細血管炎や心臓・大血管性赤血球破砕症候群などがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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