文献詳細
病気のはなし
乳癌―画像診断を中心に
著者: 印牧義英1 中島康雄1 福田護2
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科 2聖マリアンナ医科大学乳腺内分泌外科
ページ範囲:P.396 - P.400
文献概要
近年,生活習慣の欧米化に伴い乳癌の発生率・死亡率は著明な増加を呈しており,早期診断・治療がいっそう重要になっている1).従来,乳腺疾患の画像診断は,超音波,マンモグラフィを中心に行われてきた.しかし,超音波は腫瘍の検出能は良好であるが微細な石灰化の検出に苦慮する場合があり,逆にマンモグラフィは微細石灰化の検出能は優れているが高濃度乳腺内の場合,腫瘍が検出できないこともある.したがって,検査を行う場合は,これら両者の特性を十分に理解したうえで見落としが少なくなるよう努力する必要がある.
癌の診断がついた後にはその広がりを診断するためにCT,MRI検査が行われる.特に優れた空間分解能を有するMRIは,造影剤を用いることで癌の広がりをより正確に把握することが可能となり,術後の再発率を低下させるうえでも有効といえる.
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