文献詳細
文献概要
今月の表紙
百聞は一見に如かず・5 動脈硬化
著者: 松谷章司1
所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部
ページ範囲:P.428 - P.428
文献購入ページに移動 動脈硬化は血圧をはじめとする種々の動脈壁への傷害に対する病的反応の結果であり,さらに高血圧を進行させる悪循環の一因ともなる.傷害の原因は前述の血行力学的作用のほかに,過剰な脂質,血管作動性の化学物質や低酸素血症などが挙げられる.動脈硬化は大別すると,(1)粥状硬化症,(2)細動脈硬化症,(3)メンケベルグ動脈硬化症(Menckeberg's arteriosclerosis,筋性動脈中膜の石灰化を特徴とする)となり,前二者の頻度が高い.
一言に動脈硬化といっても動脈の口径によって異なる形態変化を示す.大動脈をはじめとして,大型あるいは中型の動脈には粥状硬化の形態をとる.線維性に肥厚した内膜深部に血漿由来の脂質や蛋白質が沈着する.時間とともに無細胞性の壊死化をきたし,組織学的に好酸性不定形物質,泡沫細胞などを認め,処理されない脂質はコレステロール結晶となり,溶出後の針状の間隙を残す.
一言に動脈硬化といっても動脈の口径によって異なる形態変化を示す.大動脈をはじめとして,大型あるいは中型の動脈には粥状硬化の形態をとる.線維性に肥厚した内膜深部に血漿由来の脂質や蛋白質が沈着する.時間とともに無細胞性の壊死化をきたし,組織学的に好酸性不定形物質,泡沫細胞などを認め,処理されない脂質はコレステロール結晶となり,溶出後の針状の間隙を残す.
掲載誌情報