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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻5号

2004年05月発行

文献概要

今月の表紙

百聞は一見に如かず・5 動脈硬化

著者: 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.428 - P.428

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 動脈硬化は血圧をはじめとする種々の動脈壁への傷害に対する病的反応の結果であり,さらに高血圧を進行させる悪循環の一因ともなる.傷害の原因は前述の血行力学的作用のほかに,過剰な脂質,血管作動性の化学物質や低酸素血症などが挙げられる.動脈硬化は大別すると,(1)粥状硬化症,(2)細動脈硬化症,(3)メンケベルグ動脈硬化症(Menckeberg's arteriosclerosis,筋性動脈中膜の石灰化を特徴とする)となり,前二者の頻度が高い.

 一言に動脈硬化といっても動脈の口径によって異なる形態変化を示す.大動脈をはじめとして,大型あるいは中型の動脈には粥状硬化の形態をとる.線維性に肥厚した内膜深部に血漿由来の脂質や蛋白質が沈着する.時間とともに無細胞性の壊死化をきたし,組織学的に好酸性不定形物質,泡沫細胞などを認め,処理されない脂質はコレステロール結晶となり,溶出後の針状の間隙を残す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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