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ヒトの腸内,特に大腸には多様な細菌が常在し,複雑な腸内細菌叢を形成している.ヒトが毎日排泄する糞便(乾燥糞便)はそのほぼ2分の1が生きた細菌で占められ,その大部分が偏性嫌気性菌である.詳細な研究によりヒトの大腸内には実に500~1,000種類,その数糞便1g(乾燥糞便)あたり約1兆個に近い細菌が棲みついていることが明らかにされている.
21世紀に入り,腸内細菌叢の単分離・培養を介さないアプローチにより,ようやくヒトの腸内細菌叢の全貌が見渡せるようになってきた.先人の数多くの努力によって確立された嫌気培養法の応用により,腸内細菌の生態が見えたように思えたが,培養法による解析には限界があることが明らかとなった.つまり,腸内細菌叢を構成している細菌の約20~30%は培養可能であるが,残り70~80%は難培養かあるいはその菌数が少ないため,難分離の腸内細菌であると推定されたのである.
21世紀に入り,腸内細菌叢の単分離・培養を介さないアプローチにより,ようやくヒトの腸内細菌叢の全貌が見渡せるようになってきた.先人の数多くの努力によって確立された嫌気培養法の応用により,腸内細菌の生態が見えたように思えたが,培養法による解析には限界があることが明らかとなった.つまり,腸内細菌叢を構成している細菌の約20~30%は培養可能であるが,残り70~80%は難培養かあるいはその菌数が少ないため,難分離の腸内細菌であると推定されたのである.
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