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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻5号

2004年05月発行

検査じょうほう室 血液 血液染色のコツ

ペルオキシダーゼ染色

著者: 大竹順子1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部

ページ範囲:P.456 - P.460

文献概要

ペルオキシダーゼ染色の目的

 ペルオキシダーゼ(peroxidase,以下P-O)酵素は広く植物,動物の細胞に分布している.ヒトでは血液細胞,特に白血球に存在し,急性白血病の分類であるFAB分類,WHO分類の重要な指標として用いられている.骨髄系細胞は幼若から成熟細胞までP-O染色陽性を示し,リンパ球系細胞は陰性である.しかし,極めて幼若な骨髄系芽球はP-O染色陽性と陰性の両方の場合があり,FAB分類では骨髄系芽球がP-O染色陰性となるのはM0,M5aの一部,M7である.FAB分類では芽球が3%以上陽性ならばP-O染色陽性とし骨髄系の急性白血病,陽性の芽球が3%未満の場合は,P-O染色陰性とし,リンパ系,骨髄系の両方を考える.

 芽球のP-O染色性は,ごく弱く染まるものから,強く陽性に染まるものまで症例により異なり,弱陽性も強陽性も陽性と判断する.このためP-O染色は感度がよく,再現性に優れ,染色性が鮮明で弱陽性細胞が見やすく,細胞の種類が判別しやすい染色法で,実際の染色では,簡便な方法で短時間で染色できることが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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