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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻6号

2004年06月発行

病気のはなし

ウエストナイル熱・脳炎

著者: 髙崎智彦1

所属機関: 1国立感染症研究所ウィルス第一部

ページ範囲:P.488 - P.492

文献概要

新しい知見

 米国に侵入したウエストナイルウイルスは,米国のほぼ全域に感染が拡大し,2002年には44州で4,156人のウエストナイル熱・脳炎患者が発生し,284の死亡例をみた.また,カナダでも約400人の患者が発生した.2003年になっても感染終息の気配はなく,米国では9,858人の患者発生と264の死亡例が確認されている(2004年2月25日現在,表).北米大陸のウエストナイルウイルスは,既にメキシコ・カリブ海諸国にも広がっている.

 特殊な感染経路として,2002年の米国の流行では輸血や血液製剤での感染例や,臓器移植により感染した症例も報告されている1).米国防疫センター(Centers for Disease Control and Prevention,CDC)の報告によれば輸血によるウエストナイルウイルス感染が疑われる症例が確認された.さらに,母乳により感染した可能性がある新生児2),経胎盤感染が疑われる新生児症例も報告されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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