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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻6号

2004年06月発行

文献概要

失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法

脱灰に起因するアーティファクト

著者: 吉村忍1

所属機関: 1防衛医科大学校病院検査部病理

ページ範囲:P.522 - P.527

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 図1は核の染色性がまったく失われており完全にエオジンに置き換わっている.骨梁部の膠原束は膨化して染色性が低下している.本来は細胞質に比べ膠原線維はエオジンの色調を強くとり,コントラストのよい標本となるはずである.図2は骨梁が浮き上がり,中心部にはカルシウムによるヘマトキシリンの濃染と破壊像とが認められる.いずれも問題のあるアーティファクトの像である.


考えられる原因

 図1では過脱灰が,図2では脱灰不良が考えられる.図2では脱灰不良の状態のままパラフィン包埋処理を行い,無理な薄切状態のまま強引に処理したため,骨梁は浮き上がり一部破壊された状態となり,残存カルシウムによるヘマトキシリン濃染が認められる.強引な薄切のため切片は厚くなり有核細胞は重なり合った状態で観察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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