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ラボクイズ
5月号の解答と解説
著者: 谷村晃1 川元博之1
所属機関: 1下関市立中央病院検査部病理
ページ範囲:P.509 - P.509
文献購入ページに移動【問題1】 解答:(4)耳下腺腫瘍の転移
耳下腺摘出臓器は腺房細胞腫であった(図1,2).胸水中には,N/C比の低い異型性に乏しい細胞が比較的平面的な集団で出現.一見,腺房様構造を示す正常腺房細胞に類似している.細胞境界は明瞭,胞体は広く泡沫状で,胞体内には細かい顆粒が認められる.この顆粒は,PAS反応(periodic acid-Schiff reaction,過ヨウ素酸シッフ反応)陽性(ジアスターゼ処理抵抗性),アルシアンブルー染色(alcian blue stain),陰性を示す.核小体は明瞭.以上より,腺房細胞腫が疑われ,耳下腺腫瘍からの転移が考えられた.本腫瘍は,耳下腺に高頻度に発生する低悪性度の腫瘍と考えられ,時に再発を繰り返す.
耳下腺摘出臓器は腺房細胞腫であった(図1,2).胸水中には,N/C比の低い異型性に乏しい細胞が比較的平面的な集団で出現.一見,腺房様構造を示す正常腺房細胞に類似している.細胞境界は明瞭,胞体は広く泡沫状で,胞体内には細かい顆粒が認められる.この顆粒は,PAS反応(periodic acid-Schiff reaction,過ヨウ素酸シッフ反応)陽性(ジアスターゼ処理抵抗性),アルシアンブルー染色(alcian blue stain),陰性を示す.核小体は明瞭.以上より,腺房細胞腫が疑われ,耳下腺腫瘍からの転移が考えられた.本腫瘍は,耳下腺に高頻度に発生する低悪性度の腫瘍と考えられ,時に再発を繰り返す.
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