icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻6号

2004年06月発行

文献概要

ラボクイズ

5月号の解答と解説

著者: 谷村晃1 川元博之1

所属機関: 1下関市立中央病院検査部病理

ページ範囲:P.509 - P.509

文献購入ページに移動
【問題1】 解答:(4)耳下腺腫瘍の転移

 耳下腺摘出臓器は腺房細胞腫であった(図1,2).胸水中には,N/C比の低い異型性に乏しい細胞が比較的平面的な集団で出現.一見,腺房様構造を示す正常腺房細胞に類似している.細胞境界は明瞭,胞体は広く泡沫状で,胞体内には細かい顆粒が認められる.この顆粒は,PAS反応(periodic acid-Schiff reaction,過ヨウ素酸シッフ反応)陽性(ジアスターゼ処理抵抗性),アルシアンブルー染色(alcian blue stain),陰性を示す.核小体は明瞭.以上より,腺房細胞腫が疑われ,耳下腺腫瘍からの転移が考えられた.本腫瘍は,耳下腺に高頻度に発生する低悪性度の腫瘍と考えられ,時に再発を繰り返す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?