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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻6号

2004年06月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

臨床所見もなく高度に上昇しているクレアチンキナーゼ

著者: 安原努1 高木康2

所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理学教室 2昭和大学医学部医学教育推進室

ページ範囲:P.545 - P.547

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小児に,臨床所見もなくクレアチンキナーゼ(creatine kinase,CK)が高度に上昇している例があります.そんな疾患はありますか.どのような機序でそうなるのですか.また,現在は臨床所見はなくともCK値の異常な小児に将来,発症する疾患があれば教えてください.(東京都羽村市 A. T.生)


 クレアチンキナーゼとは

 クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CK,EC2.7.3.2)は,クレアチンとクレアチンリン酸との反応を触媒する酵素です.共役するADP(adenosin diphosphate,アヂノシン二リン酸)→ATP(adenosin triphosphate,アヂノシン三リン酸)により生ずるATPが高エネルギーリン酸であるため,多量のエネルギーを必要とする骨格筋,心筋,平滑筋や脳などに多量に存在しています.これら臓器・組織が傷害された場合には,存在するCKが血中に逸脱・遊出するため,血中CK活性の変動を測定することでこれら臓器・組織の傷害を知ることができるのです(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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