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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻7号

2004年07月発行

文献概要

絵で見る免疫学 基礎編(55)

宿主とウイルスの攻防(3) 宿主の免疫機構による対ウイルス防衛

著者: 高木淳1 玉井一2

所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部・営業学術 2栄光病院

ページ範囲:P.634 - P.635

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 生体防衛の最初のバリアーである体表面を突破したウイルスに対してはマクロファージや樹状細胞などの食細胞が対応し,ウイルス感染細胞はインターフェロン(interferon,IFN)α/βを産生し近隣の細胞に抗ウイルス作用を誘導する.また,NK細胞(natural killer cell)は非特異的に感染細胞を破壊する.しかし,これらの自然免疫系だけではウイルスの完全除去には至らない.獲得免疫系が誘導され,細胞傷害性T細胞が活性化されて初めてウイルスは除去される(図1).

自然免疫機構による抗ウイルス作用

 ウイルスを貪食するのは主に樹状細胞である.細菌は鞭毛,リポタイコ酸,M蛋白質,リポ多糖体,シアル酸,マンノースなど多くの共通構造を持っており,マクロファージはこれら物質に対するレセプターを持っているのでこれを介して貪食する(第32巻第3号参照).しかし,ウイルスにはこのような共通構造がないのでマクロファージはあまり貪食できない.樹状細胞は周囲に存在する細菌やウイルスを大量の液体とともに飲み込むマクロピノサイトーシスによって取り込んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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