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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻7号

2004年07月発行

文献概要

復習のページ

抗酸菌染色

著者: 久保勢津子1

所属機関: 1高根病院検査部

ページ範囲:P.658 - P.660

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 はじめに

 抗酸菌染色には,一般的に広く実施されているチール-ネールゼン法(Ziehl-Neelsen method)やキニヨン法(Kinyoun method),蛍光法があります.塩基性フクシンで赤色に染色される菌は抗酸菌と呼ばれ,Mycobacterium,Nocardia,Rhodococcusなどが含まれます.なかでもMycobacterium tuberculosis(結核菌)は肺結核などを引き起こし臨床上重要で,喀痰の抗酸菌染色でそれらしいと判明したとたん,排菌中ということで他の人への感染の危険性から,また入院中であれば院内感染を起こすと大騒ぎとなることも珍しいことではないのです.それだけに簡単,迅速なこの検査は検査室にとっても大変有益な検査と考えられています.

 しかし,教科書や先輩から習ったとおりに実施しても,検査材料の多様な品質,その検査にかかわるいろいろな要素から検査診断に誤った結果を与えていることもあるようです.検査に慣れたらもう一度「自己流の変法」になっていないか再確認してください.ここでは代表的なチール-ネールゼン染色を日常行っていて遭遇した出来事を紹介します.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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