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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻7号

2004年07月発行

失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法

固定時に生ずるアーティファクト 固定不良による内部と辺縁部の染色性の違い

著者: 阿部仁1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.662 - P.665

文献概要

 摘出された臓器は自家融解を避けるためできるだけ早く固定液に浸漬すべきである.図1は小脳のヘマトキシリン-エオジン染色(hemato-xyline-eosin stain,HE染色)で,摘出後すぐに20%ホルマリン液で固定した.それにもかかわらず,内部の顆粒層では核が自己融解による変性で泡沫状となりヘマトキシリンに染色されていない(図1-a).一方,辺縁部の顆粒層では核の染色も良好である(図1-b).なぜこのような染色性の違いが生ずるのだろうか.脳のような大きな臓器にだけ染色性の違いが生ずるのだろうか.考えられる原因についてさまざまな実例を挙げて説明する.

考えられる原因

 1 . 臓器に割を入れないで丸ごと固定液中に放置した場合

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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