icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻7号

2004年07月発行

文献概要

失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法

染色法各論 鍍銀染色

著者: 吉村忍1

所属機関: 1防衛医科大学校病院検査部病理

ページ範囲:P.666 - P.668

文献購入ページに移動
標本は好銀線維染色として用いられている渡辺の鍍銀染色標本である.図1は組織が割れた状態で間隙が平行に多数見られる.図2は膠原線維と細網線維との色分けができていない標本である.いずれもアーティファクトの見られる不良標本である.

考えられる原因

 1 . 薄切不良

 ブロックを冷やして薄切する処理はパラフィンの硬度を増加させ薄切効率を上げるために行われる.3μm程度の切片厚では問題はないが,支持組織を観察するような6~8μmの厚い切片が必要となる場合にはブロックを冷やした状態のまま薄切を行うと硬度が増した分もろくなり,ミクロトーム刃と平行に亀裂が生じ,伸展・貼り付けすると間隙となって観察される(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?