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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻7号

2004年07月発行

ラボクイズ

6月号の解答と解説

著者: 牟田正一1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.633 - P.633

文献概要

【問題1】 解答:(3)c,d

 問題の図には球状赤血球と大型の多染性赤血球の出現が見られ大小不同症を呈している.大型多染性赤血球は網赤血球に相当し赤血球の造血亢進が考えられ溶血性貧血が示唆される.

 球状赤血球とはロマノフスキー染色(Romanowsky stain)標本では中心淡明部を欠き厚みは増しているが,直径は減少しており,小円形状で全体がヘモグロビン(Hb)の色調に濃染している赤血球である.正常赤血球と比較すると表面積/体積比が減少しているのでMCHC(mean corpuscular hemoglobin concentration,平均赤血球ヘモグロビン濃度)が高く高色素性のことが多い.このような赤血球は変形能が悪く,浸透圧抵抗も低下しているので脾臓内の髄索やさらに狭い内皮細胞間隙を通過するのに長時間を要するか,あるいは脱出できず,髄索内でマクロファージに貪食され血管外溶血が起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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