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絵で見る免疫学 基礎編(56)
宿主とウイルスの攻防(4) ウイルスの逆襲 その1
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部・営業学術 2栄光病院
ページ範囲:P.728 - P.729
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ウイルス感染細胞が産生したIFNは近隣の細胞のIFNレセプターに結合するとこの細胞は抗ウイルス作用を発揮する.すなわち,侵入したウイルスの蛋白質合成を阻止し,かつウイルスRNAを分解する(前号図3(2)と(3)を阻害する).エプスタイン-バーウイルス(Epstein-Barr virus,EBウイルス)はIFNによるリボソームにおける蛋白質合成阻害する物質を,ワクシニアウイルスはRNAの分解を阻止する物質を産生し感染細胞におけるIFNの効果を阻害する.また,ウイルスにはサイトカインレセプターの類似分子を作り出すものがある.粘液腫ウイルスはIFNγレセプター,ショープ線維腫ウイルス(Shope fibroma virus)はTNFレセプター,EBウイルスはIL-10レセプターの類似分子を作り出す.これら偽サイトカインレセプターを細胞外にばら撒くと,偽レセプターとサイトカインとは結合しサイトカインの活性が中和されその機能が失われる(図1).
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