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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻9号

2004年09月発行

文献概要

病気のはなし

シェーグレン症候群

著者: 菅井進12

所属機関: 1金沢医科大学血液免疫内科 2慈豊会久藤総合病院

ページ範囲:P.784 - P.790

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新しい知見

 シェーグレン症候群(Sjogren's Syndrome,SS)では約5%に悪性リンパ腫を発症するが,その多くがMALT(mucosa-associated lymphoid tissue,粘膜関連リンパ組織)リンパ腫であり,局所に見られるリンパ上皮性病変がその発生母地と考えられている.MALTリンパ腫は以前には反応性病変と診断されていたものが多かったが,1983年にIsaacsonによって疾患概念が確立されたもので,主にリンパ節外組織のMALTに発症する.正常ではMALTのない胃,唾液腺,肺,甲状腺などの組織の炎症から発症することが多く,post-germinal center Bリンパ球の腫瘍である.長年にわたって局所に存在して臨床的には良性の経過をたどる低悪性度リンパ腫であるが,一部にびまん性大細胞型の高悪性度リンパ腫にトランスフォームして予後不良となる.抗原依存性に増殖し,リンパ球による炎症からリンパ腫への多段階発癌モデルに合致した経過をとり,免疫反応からリンパ腫発症をつなぐ重要な位置を占めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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