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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻9号

2004年09月発行

文献概要

検査データを考える

肝炎ウイルス検査―HBs抗原とHCV抗体

著者: 小西奎子1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構金沢医療センター臨床検査科臨床検査科

ページ範囲:P.833 - P.838

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 はじめに

 B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)とC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus,HCV)は肝炎や肝硬変,最近増加している肝癌の約90%を占めるなど重要な肝疾患の病因である.一方,キャリア(持続感染者)の存在に伴う肝炎発症,特にB型肝炎における劇症化やC型肝炎の高い慢性化率から,このHBVとHCVは医療機関において重要な感染予防の対象となる.観血的検査や処置を受ける患者や,入院患者を対象にHBVとHCVの感染有無を検査する必要があり,輸血後肝炎予防のためには献血者のスクリーニングが不可欠である.HBVの感染有無はHBs(HBV surface)抗原が,HCVの感染有無はHCV抗体が検査され,陽性者は感染者として扱われる.感染症の検査は「病原体がいるか否か」が求められる検査である.HBs抗原とHCV抗体を中心にHBVとHCVの関連検査について「ウイルスがいるか否か」の診断意義を考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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