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雑誌文献

検査と技術32巻9号

2004年09月発行

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トピックス

急性エチレングリコール(不凍液)中毒

著者: 野田幸代1 松田貴美子1 小濱啓次2 通山薫3

所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部 2川崎医科大学救急医学教室 3川崎医科大学検査診断学

ページ範囲:P.865 - P.867

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 はじめに

 エチレングリコール(ethylene glycol,EG)は無色,無臭で甘味のある水溶性の粘稠液体であり,溶剤,潤滑油,界面活性剤,代用グリセリン,有機合成や化学繊維の原料などに使われる.広くは自動車のラジエータ用不凍液や,冷凍庫で凍結させて反復使用するゲル化剤型保冷剤の一部に使用されている.

 急性中毒は稀であるが,誤飲や自殺を目的とした摂取によって起こり,致命的な高度のアシドーシスを伴う中枢神経障害,心肺系循環不全および急性腎不全を引き起こす1).致死量は通常成人で約100mlであるが,救命し得た報告例の中に200ml以上摂取した症例も認められる1~5).欧米ではエチレングリコール中毒の報告例は多く,その代謝経路に関する研究にまで詳細な報告がみられるが,わが国での報告例は1987年から2002年までに16例と比較的少ないと考えられる.

 本稿では当院で経験した症例をもとに,エチレングリコール中毒の概要について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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