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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻9号

2004年09月発行

失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法

細胞診のアーティファクト―検体採取,塗抹,固定に起因するアーティファクト―食物残渣の混入

著者: 古谷津純一1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院検査科病理

ページ範囲:P.854 - P.856

文献概要

 図1は喀痰の細胞診標本中に見られた異型細胞である.細胞の大きさは背景の扁平上皮細胞よりやや小型である.細胞質はライトグリーンに好染し,N/C比が高い.細胞集塊の中心部分は細胞が密に重積し,詳細が不明である.拡大倍率を上げて観察すると(図2),核は分葉状の異型を示し,核クロマチンも増量しているように見える.一部で血管を思わせる構造物も認められる.


考えられる原因

 喀痰採取時に混入した食物残渣と考えられる.食物残渣は広義の混入物で,植物性と動物性とがあるが,鏡検時に問題となるのは,植物由来の細胞(図3,4)と思われ,特に初学者には,腫瘍細胞との鑑別が困難な場合があるので注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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