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けんさ質問箱Q&A
病理部で行う精度管理のポイントは
著者: 黒住眞史1 真鍋俊明2
所属機関: 1京都大学医学部附属病院検査部病理 2京都大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.857 - P.860
文献購入ページに移動A黒住 眞史 くろずみ まふみ*1・真鍋 俊明 まなべ としあき*2
はじめに
臨床検査分野における精度管理は,より安全で質の高い医療が望まれるなかその重要性がますます増しています.しかし,病理検査や一部の血液検査,一般検査のように標準検体がなく,数値で表すことが難しい形態検査においては,今まで積極的に実施されていなかったのが現状です.また,病理を担当する臨床検査技師(以下,病理部技師)が行う業務は病理組織標本作製,細胞診検査,剖検介助がありますが,作業工程の多くは手作業に頼る部分が多く,必然的に個人の経験や個々の職場の慣習が優先されることとなり,これも精度管理を難しくしていた原因と考えられます.病理検査の精度管理については,アメリカの文書も翻訳1)されており,日本病理学会からの指針2)も提示されていますのでご参照ください.病理部で行う精度管理は他の検査分野と同様に,外部精度管理と内部精度管理,そして両方の精度管理に共通と考えられる標準化があります.ここでは,これらについて述べます.
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