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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻9号

2004年09月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

UCGでの左室流出波形のポイントは

著者: 三枝義信1

所属機関: 1東京逓信病院臨床検査科生理検査室

ページ範囲:P.860 - P.864

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UCG(ultrasonic cardiogram,心エコー図,超音波心臓図)でSV/CO法で左室流出路流形測定を行っています.このとき稀に他の血流も入ってくるためにどこから計算すべきかわからないときがあります.計測を開始すべきポイントはどうやって決めればよいか教えてください.(埼玉県川口市 S. M.生)


 パルスドプラ法(pulse Doppler mode)による血流量の算出は,時間速度積分値(time velocity integral,TVI)×断面積(cross sectional area,CSA)で求められる.心エコー図断層法で左室流出路(left ventricular outflow tract,LVOT)から1回心拍出量(stroke volume,SV)を計算する場合は次のような手順で行う.収縮期に左室流出路を通過する血流波形から左室駆出血流積分値(TVILVOT)を計測し,左室流出路のCSAと積算することで1回心拍出量が算出できる.心拍出量(cardiac output,CO)はSVに心拍数(heart rate,HR)を乗ずると算出できる(図1).これは,左室流出路は直線的な太い管腔とみなされ流出路径が一定であること,その中心部の血流速度は断面全体を反映して血流速度が一定であるという条件で成り立つものである.しかし,管腔が細い場合は中心部の血流が速く管壁に近い部分では遅いため,流速に大きな差異を生じて流れの形状が放物線状になるとき,またS状中隔のように流出路が変形して血流の流れに乱流を生じるときは,速度分散が大きくなり精度の高い測定はできない.

 ここでは測定におけるポイントについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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