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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻1号

2005年01月発行

文献概要

検査じょうほう室 血液:自動血球分析装置のフラッグ処理で困ったこと

[IG(immature granulocytes)++]でも幼若顆粒球が見られない!

著者: 久保田勝秀1 竹中進1 橘峰司1

所属機関: 1旭川医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.56 - P.57

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分析装置(ADVIA120)の白血球分類に関する概要

 われわれの検査部で使用している血球自動分析装置はバイエル・メディカル社のADVIA120である.白血球分類は二つのサイトグラムから分析される.第一のサイトグラムは低角度散乱光(Y軸)とペルオキシダーゼ活性(X軸)とのパラメーターによるPEROXチャンネル(図1-a)である.第二のサイトグラムは酸性条件下で裸核化した細胞の低角度散乱光(Y軸)と高角度散乱光(X軸)とのパラメーターによるBASOチャンネル(図1-b)である.基本的に低角度散乱光は細胞の容積を捉えるパラメーターであり,高角度散乱光は核構造の複雑さを捉えるパラメーターとされている.

 BASOチャンネルでは酸抵抗性のある好塩基球や一部の異常白血球は細胞質が残った状態になり裸核化できないため,他の細胞より容積が大きくなることから低角度散乱光により分類可能となる.同時に,BASOチャンネルはリンパ球や単球などの単核球群(mononuclear cells,MN)と多形核白血球(polymorphonuclear leukocytes,PMN)それぞれの高角度散乱光(X軸)の違いからその比を求めることが可能となっている.したがって末梢血に幼若顆粒球の出現がなければ,理論的にはPEROXチャンネルの好中球領域(Net)と好酸球領域(Eos)との合計がBASOチャンネルのPMNの分類比と同じになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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