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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻10号

2005年10月発行

文献概要

検査じょうほう室 血液:自動血球分析装置のフラッグ処理で困ったこと

自動血球分析装置は好中球桿状核球の増加を的確に捉えメッセージで知らせてくれるのか?

著者: 坂東史郎1

所属機関: 1愛媛大学医学部附属病院診療支援部臨床検査技術部門

ページ範囲:P.949 - P.951

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はじめに

 自動血球分析装置の進歩はめざましく,白血球の分類も可能となった.しかも,多数の白血球を分類するため,顕微鏡で目視で分類する方法に比較すると,はるかに精度高く白血球の各分画の変動を時系列で追跡することができる.

 しかし,自動血球分析装置による白血球分類は好中球(桿状核球+分葉核球),リンパ球,単球,好酸球,好塩基球の5分類に限られており,あくまでもスクリーニングとしての域を出ていないのが現状である.そのため,白血病や悪性リンパ腫の腫瘍細胞あるいは好中球系の幼若細胞などが出現した場合には塗抹標本を作製し,顕微鏡で目視分類をし直す必要がある.

 問題は,これらの異常な細胞の出現に際し,的確なメッセージを自動血球分析装置が出してくれるかどうかである.特に,少数の異常細胞の出現を検出するために,感度を上げ過ぎると,正常検体でも異常のメッセージを出す確率が高くなり,スクリーニングとしての機能を失ってしまう.

 ルーチン検査における白血球分類において,よく遭遇する好中球桿状核球(stab,以下st)の増加は,それを示す異常メッセージがなくてもかなり多く認められる.逆に,芽球の出現を疑わせるようなメッセージは多く出現するが,顕微鏡下で確認できない場合が多い.そのため,自動血球分析装置のメッセージによる検出がどの程度可能かを統計的にまとめ,検出できなかった場合,どのようにすれば異常細胞の見落としを少しでも回避できるのかをわれわれの経験に基づいて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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