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文献概要
検査じょうほう室 生化学:臓器マーカー
骨代謝マーカー
著者: 福本誠二1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
ページ範囲:P.952 - P.953
文献購入ページに移動骨における代謝
骨は,I型コラーゲンを主とする骨基質蛋白質に,ハイドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2結晶が沈着することにより形成される.骨は,破骨細胞による骨吸収と,骨芽細胞による骨形成とを繰り返す骨リモデリングにより,つねにその形態と量とを調節する動的組織である(図1).骨代謝マーカーは,破骨細胞と骨芽細胞との活性,ひいては骨吸収量と骨形成量とを推定する指標として利用される.
骨代謝マーカー
現在わが国では,いくつかの骨代謝マーカーが保険適用となっている.骨吸収マーカーとしては,I型コラーゲン関連マーカーが利用されることが多い.I型コラーゲンは,ポリペプチド鎖が合成されN端,およびC端のプロペプチド部分が切り離された後,重合して骨中に埋没する(図2).骨中のコラーゲンには,三重螺旋構造を示すヘリックス部分の両端に,螺旋構造を示さないテロペプチド部分が存在し,このテロペプチド領域,あるいはヘリックス領域間に,ピリジノリンやデオキシピリジノリン架橋が形成される(図2).これらのテロペプチド,あるいは架橋は骨吸収により初めて血中に遊離することから,骨吸収マーカーとして利用されている.一方骨形成マーカーには,前述のI型コラーゲンプロペプチドに加え,骨芽細胞が産生する蛋白質であるオステオカルシンや骨型アルカリホスファターゼがある(表).
骨は,I型コラーゲンを主とする骨基質蛋白質に,ハイドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2結晶が沈着することにより形成される.骨は,破骨細胞による骨吸収と,骨芽細胞による骨形成とを繰り返す骨リモデリングにより,つねにその形態と量とを調節する動的組織である(図1).骨代謝マーカーは,破骨細胞と骨芽細胞との活性,ひいては骨吸収量と骨形成量とを推定する指標として利用される.
骨代謝マーカー
現在わが国では,いくつかの骨代謝マーカーが保険適用となっている.骨吸収マーカーとしては,I型コラーゲン関連マーカーが利用されることが多い.I型コラーゲンは,ポリペプチド鎖が合成されN端,およびC端のプロペプチド部分が切り離された後,重合して骨中に埋没する(図2).骨中のコラーゲンには,三重螺旋構造を示すヘリックス部分の両端に,螺旋構造を示さないテロペプチド部分が存在し,このテロペプチド領域,あるいはヘリックス領域間に,ピリジノリンやデオキシピリジノリン架橋が形成される(図2).これらのテロペプチド,あるいは架橋は骨吸収により初めて血中に遊離することから,骨吸収マーカーとして利用されている.一方骨形成マーカーには,前述のI型コラーゲンプロペプチドに加え,骨芽細胞が産生する蛋白質であるオステオカルシンや骨型アルカリホスファターゼがある(表).
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