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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻10号

2005年10月発行

けんさアラカルト

―異常値となるメカニズム―4.FT3の異常高値の考えかた

著者: 青野悠久子1

所属機関: 1東京文化医学技術専門学校

ページ範囲:P.956 - P.958

文献概要

はじめに

 フリートリヨードサイロニン(free triiodothyronine,FT3)の測定は甲状腺機能検査の一つであり甲状腺疾患の診断,治療に有用である.甲状腺ホルモンのトリヨードサイロニン(T3)は血中では大部分99.8%が蛋白結合型で存在し遊離型(フリー)は0.2%にすぎない.血中濃度が低くその測定は難しいとされていたが現在では測定は容易になっている.しかし,影響物質など測定に問題点も多い.イムノアッセイの大きな進歩でその測定機器,試薬も改良に改良を重ね年ごとに安定し,今日では毎日測定されているようになっている.

 通常FT3の測定はEIA(enzyme immunoassay,酵素免疫測定法)競合法で行われているが異常高値の測定値を得ることがある.日常業務また各種測定キット研究検討の経験から異常高値になった例について解説する.

 日常業務のなかで検査に携る者は得られた測定値と病態との関連を検討し臨床側に早急に報告せねばならない.また甲状腺疾患以外の病態により高値となる症例についての理解も必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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