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雑誌文献

検査と技術33巻10号

2005年10月発行

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トピックス

AEDの使用法

著者: 三木隆弘1 長尾建2

所属機関: 1駿河台日本大学病院臨床工学技士室 2日本大学医学部救急医学

ページ範囲:P.972 - P.975

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はじめに

 2000年AHA/ILCOR(American Heart Association in collaboration with International Liaison Committee on Resuscitation)よりEBMに基づいた心肺蘇生と救急心血管治療のガイドライン2000が提唱された1).このガイドラインでは,成人の院外心肺停止患者の生還を可能にする重要な救急医療体制は,chain of survival(迅速な119番通報,迅速な一次救命処置,迅速な電気的除細動,迅速な二次救命処置)の連動であるとした.特に,非医師によるAED〔Automated External Defibrillator,自動体外式除細動器(表1)〕を用いた,除細動(public access defbrillation,PAD)が極めて効果的であり,心停止直後に除細動を施行することが重要であることが報告されている(図1).さらに2003年,ウツタイン様式(Utstein style)を用いた本邦の院外心肺停止患者に対する大規模研究では2~5),救急現場の初回心電図所見が心室細動(ventricular fibrillation,VF)または無脈性心室頻拍(pulseless ventricular tachycardia,pulseless VT)の場合が無脈性電気活動(pulseless electrical activity,PEA)または心静止(asystole)の場合に比し,生存率が約7.5倍と有意に高値を示し,より早く除細動を行うことで救命率を向上させると報告されている(図2).日本国内でも一般市民によるAEDの使用に関する検討がなされ,2004年5月には,表2に示す4条件を満たす場合に,AEDの使用が可能となった.現在,空港や人の集まる競技場など公共施設に設置されつつあり,最近では愛知万博でこのAEDによる救命例が報告され,今後も急速に普及するとみられる.

 そこで2005年現在,日本国内で使用可能なAEDの特徴とその使用方法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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