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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

増刊号 一線診療のための臨床検査

第I章 総論―臨床編 2. 代謝疾患の検査

4)高尿酸血症

著者: 谷口敦夫1 鎌谷直之1

所属機関: 1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.1026 - P.1029

文献概要

はじめに

 尿酸はヒトにおけるプリン代謝の最終産物であり,主として尿中に排泄される.尿酸の体内プールは成人男性で約1,200mgであり,体内において通常1日700mgが産生され,同量が排泄されている.尿酸は主に腎臓から排泄され,約2/3が尿中に,残りが糞便に排泄される.臨床的に重要なのは腎からの排泄である.血液中の尿酸は糸球体でほぼ100%濾過され,尿細管で再度吸収あるいは分泌され,最終的に糸球体で濾過された尿酸の10%程度が尿中に排泄される.

 高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dlを超える場合と定義されている.上述の尿酸産生や排泄に関連する経路になんらかの異常が生じ,尿酸産生が過剰になったり排泄が低下すると高尿酸血症が起こる.高尿酸血症は原因別に一次性と二次性とに分けることができ,各々に尿酸産生過剰と排泄低下とに基づくものがある.したがって,高尿酸血症の成因は表1のように分類される.日常臨床で遭遇する高尿酸血症のほとんどは一次性特発性高尿酸血症である.

 高尿酸血症が長期間持続すると,尿酸・尿酸塩が一部の臓器で析出し,これによりいくつかの疾患が引き起こされる.その代表的な疾患が痛風である(表2).

 本稿では痛風関節炎の診断のための検査と,高尿酸血症の検査とについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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