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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

コラム

ウエストナイル熱・脳炎

著者: 大西健児1

所属機関: 1東京都立墨東病院感染症科

ページ範囲:P.1058 - P.1058

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ウエストナイル熱はウエストナイルウイルス(West Nile virus,WNV)の感染症で,WNVはフラビウイルス科フラビウイルス属に属するRNAウイルスである.ウエストナイル熱は現在,アフリカ,ヨーロッパ,中東,西アジア,中央アジア,北アメリカ,中米に分布しており,1999年からアメリカ合衆国で流行が始まったことから,わが国でも関心が持たれるようになった.

WNVは鳥と蚊の間で感染サイクルが成立しており,一般的にヒトはWNVを保有する蚊に刺されることで感染する.WNV感染者の約80%は無症状で約20%が発症する.ウエストナイル熱の潜伏期は2~14日で,突然に発熱が出現する.発熱以外に頭痛,筋肉痛,筋力低下,悪心などがみられる.さらに髄膜炎や脳炎を発症することもあり,これらウエストナイル髄膜炎やウエストナイル脳炎は感染者の約1%に出現し,さらに高齢者で発生しやすいとされている.髄膜炎では激しい頭痛や嘔吐,脳炎では意識障害や痙攣がみられる.ウエストナイル熱は1週間以内に回復する例が多い.死亡は重症患者の3~15%に起こるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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