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増刊号 一線診療のための臨床検査 第I章 総論―臨床編 6. 腎・尿路疾患
1)腎不全
著者: 上田志朗1
所属機関: 1千葉大学大学院薬学研究院医薬品情報学
ページ範囲:P.1067 - P.1069
文献購入ページに移動急性腎不全
急性腎不全は急激な糸球体濾過量(glomerular filtration rate,GFR)の低下をきたす病態を総称した症候群である.多くの場合,乏尿や無尿を伴う.検査で高窒素血症の急速な進行をみる.通常血清クレアチニン(S-Cre)で0.5mg・dl-1・日-1,尿素窒素(BUN)で10mg・dl-1・日-1 以上の速度で数日間上昇する状態になる.原因により腎前性,腎性,および腎後性に分類される.高窒素血症が高度になると尿毒症の症状が出現する.同時に電解質・酸塩基平衡も大きく変動し生命予後に関与する.ここではまず急性腎不全を列挙し,その病態を述べたうえで,最後に第一線で必要になる検査とその総合的な所見の取りかたを述べ迅速検査の必須性に言及する.さらに急性腎不全の診断・治療と検査とのかかわりをフローチャートにして理解を深める.
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