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コラム
関節液の結晶検査
著者: 武仲善孝1
所属機関: 1三重つくし診療所
ページ範囲:P.1096 - P.1096
文献購入ページに移動リウマチ病の診療のなかで結晶誘発性関節炎の診断は非常に大切なのでここで改めて紹介しておきたい.81歳の男性が足を引きずりながら来院された.昨日から急に右膝が腫れて歩けなくなってきたという.膝は真っ赤に腫れ,熱感が強く,関節液の貯留が著しい.こんな膝を診たときにまず考えるのは化膿性関節炎,次に高齢であるのでピロリン酸カルシウムによる結晶誘発性関節炎,時に痛風による関節炎.いずれにしても激しい痛みが起こる.そこで「どんな水が貯まっているか調べてみましょう.」と関節を穿刺する.予想どおり黄濁した液が吸引される.すばやく看護師さんがシリンジのまま,隣の検査室のMさんの所に関節液を運ぶ.ここからがMさんの腕の見せどころだ.こちらで処置しているとMさんからメモが届く.“ピロリン酸カルシウム結晶多数”,“白血球の貪食像が見られる”.ここで診断がついたので抗炎症剤を注入する.そして,病態と2,3日でよくなることを説明して帰ってもらう.
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