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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

増刊号 一線診療のための臨床検査

第I章 総論―臨床編 8. 膠原病の検査

2)関節リウマチ

著者: 熊谷俊一1 林伸英1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学講座臨床病態・免疫学分野

ページ範囲:P.1097 - P.1102

文献概要

関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)早期診断の重要さと難しさ

 RAに対する治療の考えかたはここ何年かの間に大きな変貌を遂げつつある.メトトレキサート(methotrexate,MTX)の使用やDMARD(disease-modifying antirheumatic drug,疾患修飾性抗リウマチ剤)の多剤併用療法に加え,生物学的製剤(抗TNF-α薬)の導入などである.2002年,アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology,ACR)はRA患者治療(management)のガイドラインを改訂し,早期に診断し,DMARDを早期に開始し,積極的にMTXや生物学的製剤を使用することにより,関節障害を防ぎ関節機能を保持することの重要性を述べている1,2).しかしながらMTXや抗TNF-α薬は費用も高く,間質性肺炎や易感染性などの重篤な副作用もあることから,早期RA(あるいは疑いの)患者全員に使用すべきかどうかは結論が出ていない.これはRAを発症初期に診断を確定し,進行性を早期に判断することが困難なためである.

 発症からRA診断までの平均期間は36週とされており,早期診断の必要性がいわれているが,アメリカリウマチ学会のRA分類基準は発症初期の診断では感度が低いことが指摘されている3,4).このような背景から,早期診断と予後判定とを確実に行える新しい検査法が望まれ,MRIなどの画像診断とともに,いくつかの新しい血清学的検査も開発されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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