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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

コラム

耐性菌の奇々怪々

著者: 菅野治重1

所属機関: 1高根病院内科

ページ範囲:P.1153 - P.1153

文献概要

抗菌薬の耐性菌は感染症の治療において大きな脅威である.しかし最近は臨床的には耐性と考える必要がない“耐性菌”が多数登場し,臨床医を混乱させている.この混乱の原因の一つが検査室における無原則的な“耐性検査”である.“耐性”とは,その抗菌薬に感性を示し,治療が有効であったものが,獲得した耐性因子によってその抗菌薬に耐性化し,治療が困難になったものを指す.すなわち“獲得耐性”である.レンサ球菌におけるアミノ配糖体系薬など,元来その抗菌薬が無効な場合は“自然耐性”として区別している.

 感受性試験では,感受性測定培地への栄養素の添加,接種菌量の増加,培養時間の延長,培養温度の変更,などによって最小発育阻止濃度(MIC)は上昇する.このため現在のMueller-Hinton培地はその成分(アミノ酸の種類と量,Ca2+・Mg2+濃度,NaCl濃度,pHなど)が厳しく規制されている.これは多くの抗菌薬のMICが高精度に測定できるようにClinical Laboratory Standards Institute(CLSI)が約30年かけて改良を繰り返してきた結果である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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