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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

増刊号 一線診療のための臨床検査

第II章 各論―検査編 1. 微生物検査 1)顕微鏡検査

(3)抗酸菌の検査

著者: 川村千鶴子1

所属機関: 1青森県立中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.1154 - P.1160

文献概要

はじめに

 結核症患者を早期に診断治療することは,結核感染を拡散させないために重要である.現状では結核の診断は塗抹検査と培養検査とに大きく依存しており検査の迅速化と正確さが求められている.

 1994年にCDC(米国疾病管理予防センター)は結核菌検査を実施している施設に対して次の明確な目標(1)~(3)を設置し改革を迫った1)

 (1)抗酸菌染色塗抹の検鏡結果を24時間以内に臨床医に報告する.

 (2)結核菌の分離および同定結果を10日~14日以内に臨床医に報告する.

 (3)結核菌の薬剤感受性検査結果を15日~30日以内に報告する.

 わが国において(2)と(3)を満足させる施設は現在のところ極めて少ない.しかし,「新結核菌検査指針2000」2)では,NALK-NaOH(N-アセチル-L-シスチン-水酸化ナトリウム)処理による遠心集菌法によって結核菌塗抹検査の感度を高める努力をすること,将来的には,液体培地の使用や遺伝子検査法の採用による高感度迅速検査の実施に移行することを推奨している.CDC勧告の目標(1)はどこの検査室でもできる重要な検査法である.

 本稿ではその手技と結果の解釈の概略とポイントとを示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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