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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

増刊号 一線診療のための臨床検査 第II章 各論―検査編 1. 微生物検査 3)培養検査

(3)毒素・血清型などの検査

著者: 柄沢利子1

所属機関: 1東京女子医科大学病院中央検査部

ページ範囲:P.1197 - P.1203

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はじめに

 腸管出血性大腸菌感染症の原因となるベロ毒素,抗菌薬関連下痢症や偽膜性腸炎を起こすClostridium difficileの毒素toxin A(腸管毒素)とtoxin B(細胞毒素)など,病原細菌の産生する毒素は症状の重症化やしばしばし患者を死に至らせることもある重要な病原因子の一つである.症状の重症化を防ぐには早期診断を行うことが第一であり,そのためには迅速に結果が得られる検査が必須である.毒素の検出には細菌学的方法,免疫学的方法や遺伝子学的方法が可能であるが,迅速診断検査として簡便で短時間に結果が得られる免疫学的方法が多く利用されている.

 血清型検査は病原菌種同定や病原因子の推察のために有用な検査法である.特に感染症法で二類・三類感染症の起炎菌である赤痢菌,チフス菌,パラチフスA菌,コレラ菌,腸管出血性大腸菌の生化学性状がこれら菌種に同定された場合などに用いられる.また,咽頭炎,扁桃炎,皮膚軟部組織感染症の原因菌であるStreptococcus pyogenes,および産道感染による敗血症,新生児化膿性髄膜炎の起因菌として重要なStreptococcus agalactiaeは適切な早期治療のために抗血清による迅速な群別決定が必要とされる.

 ここでは,免疫学的検査法を用いた毒素検査と血清型検査について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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