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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

増刊号 一線診療のための臨床検査

第II章 各論―検査編 1. 微生物検査 5)遺伝子検査

(3)同定検査

著者: 渡邊正治1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1223 - P.1225

文献概要

はじめに

 現在,微生物の同定検査で遺伝子検査を用いる方法で市販されているものは,従来法の生化学的方法で同定するには長時間を要する抗酸菌や,菌種を同定するために生化学的性状の特徴が少ないレジオネラ属菌がある.菌が分離されてから使用する場合が多いため一線診療のために使われることは少ない.しかし,迅速に同定することにより治療方針が決定される場合があり有用となることもある.レジオネラ感染症については臨床症状や尿中抗原などによりある程度の治療方針が決定されるため同定検査は疫学的側面が強い.また,結核菌群やMycobacterium avium,M. intracellulareについては,検体からの直接遺伝子増幅法としてPCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いたアンプリコア マイコバクテリウム(ロシュ)やRNA増幅法によるMTD法(富士レビオ)が用いられる.その他の抗酸菌については菌が分離されてから同定が行われ,特にM. abscessusなど迅速発育株では一般細菌検査で分離されることがあり有用な場合がある.ここでは抽出したDNAを種特異的なプローブとハイブリダイゼーションさせて同定する方法〔DDH(DNA-DNA hybridization)法〕のうち抗酸菌とレジオネラ菌について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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