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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

増刊号 一線診療のための臨床検査 第II章 各論―検査編 2. 生理検査

1)心電図

著者: 土居忠文1

所属機関: 1高知大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1230 - P.1232

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心電図検査の基礎

 心臓は活動電位により心筋が収縮と拡張とを繰り返している.心電図はその活動電位を記録するものである.心電図検査では一般に標準12誘導を用いる.標準12誘導は,標準肢誘導(I,II,III誘導),単極肢誘導(aVR,aVL,aVF誘導)と単極胸部誘導(V1,V2,V3,V4,V5,V6誘導)とがある.I誘導は左手と右手,II誘導は左足と右手,III誘導は左足と左手の間の電位差を表す.aVR誘導は右手を関電極,左手と左足とを不関電極とし,aVL誘導は左手を関電極,右手と左足とを不関電極とし,aVF誘導は左足を関電極,右手と左手とを不関電極としている.

 肢誘導と心臓との関係は図1に示すごとくであり,心筋梗塞の部位診断に役立つ.すなわち,誘導は左肩から右肩に向かって心臓の電気的変化を眺めており,心臓の側壁を見ることができる.誘導は左足から右肩に向かって心臓を眺め,誘導は左足から左肩に向かって心臓を眺めており,いずれも下壁を見ることができる.aVR誘導は右肩から心臓を眺めており,心室の特定部位を見ることができないが,心内膜を眺める誘導である.aVL誘導は左肩から心臓を眺めており,側壁を見ることができる.aVF誘導は左足から心臓を眺め,下壁を見ることができる.心筋梗塞の部位診断では,側壁梗塞は,aVL誘導に梗塞変化を認め,下壁梗塞はII,III,aVF誘導に梗塞変化を認める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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