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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

増刊号 一線診療のための臨床検査 第II章 各論―検査編 3. 血液検査

3)止血・線溶―PT,APTT,FDP,Dダイマー

著者: 玉川真1

所属機関: 1兵庫県立成人病センター検査部

ページ範囲:P.1245 - P.1248

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はじめに

 血液凝固は体をケガや出血から守るために,出血直後から反応が開始される.凝固反応経路には内因系と外因系との二つの経路があり,凝固因子は次々に活性化を進め,両者とも途中から共通経路となる(図1,表1).トロンビン(IIa)がフィブリノゲン(fibrinogen,以下fibg)の一部を分解してフィブリン(fibrin)にする.最終的にトロンビンにより因子が活性化され,不安定なフィブリンを架橋し強固な血栓にする.これらの過程が病的に起これば血栓症やDIC(disseminated intravascular coagulation,播種性血管内凝固)症候群が起こるのである.

 その後,不要になった血栓を溶かすのがプラスミンで,その分解産物がFDP(fibrinogen degradation product,FgDP:フィブリノゲン分解産物,fibrin degradation product,FbDP:フィブリン分解産物,Dダイマー)である.それらを測定することにより,体内で線溶亢進が起こっていることを間接的に証明するのである(図2).また,プラスミンによるフィブリノゲン分解を一次線溶,フィブリン分解を二次線溶と区別する.

 PT,APTT,FDP,Dダイマーは凝固線溶反応をスクリーニングしており(表1),一般に広く普及している.そして,病態の変化の速さから結果報告の迅速性と正確さを要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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