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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

コラム

病院感染対策を見直す

著者: 菅野治重1

所属機関: 1高根病院内科

ページ範囲:P.1248 - P.1248

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日本の病院感染対策は主に米国のCDCの指針を参考として行われてきた.しかし米国の入院患者に対する医療従事者の数は,日本に比べて,医師看護師は3~5倍,検査技師は10倍も多い.マンパワーが大きく異なる国の指針をそのまま日本に持ち込むことは元々無理がある.そろそろ日本の医療事情に適した病院感染対策を作り上げる時期にきている.

 耐性菌の検出率をみても,バンコマイシン耐性腸球菌やESBLs産生クレブシェラの欧米での検出率は日本に比べて圧倒的に高い.このように欧米の抗菌薬の使用法には大きな問題がある.しかし病院機能評価では院内感染管理の項に,「抗菌薬の適切な使用を促すシステムがある」との規定があり,これは欧米の抗菌薬使用ガイドラインなどを意味している.既に耐性菌対策で失敗したものをこれから輸入しようとする愚かさは呆れるばかりである.接触感染対策の基本は医療従事者の増員とベッドの間隔を英国並みに2m 以上に規制することである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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