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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

増刊号 一線診療のための臨床検査 第II章 各論―検査編 4. 生化学検査

1)血液ガス―pH,pCO2,pO2,sO2

著者: 東由佳1 福永壽晴2

所属機関: 1金沢医科大学病院中央臨床検査部 2金沢医科大学病態診断医学

ページ範囲:P.1249 - P.1253

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はじめに

 血液ガス測定は全科にわたる,あらゆる疾患において実施される.近年検査室に限らず,POCT(point-of-care testing)として救命救急センター,手術室,各科の集中治療室などでも頻繁に実施されている1).測定の目的は低酸素血症や高炭酸ガス血症などの呼吸状態の異常と酸塩基平衡の異常を判断することである.血液ガス測定装置は動脈血中のpH,pCO2(二酸化炭素分圧),pO2(酸素分圧)を直接測定し,さらにpH,pCO2により重炭酸イオン濃度(HCO3),過剰塩基(base excess,BE)が算出される.測定結果は,患者の状態およびそれに伴う酸素吸入や人工呼吸などの治療により時々刻々と変化するので,測定結果のみで評価することは困難である.したがって結果を評価する際には,患者の状態・検体の種類・酸素吸入の有無などを考慮しなければならず,臨床に近い場所(臨床現場)で検査されることが望ましいが,それが不可能な場合はすぐに臨床と連絡のとれる環境(体制)が必要である.また,血液ガス測定は測定前の誤差要因が多く,それが測定値に影響を与え,結果として治療方法にも影響を及ぼすおそれがあるということを十分理解しておく必要がある.

 最近の測定装置は,血液ガス項目に加え電解質や代謝項目などが同時に測定できるが,本項では,pH,pCO2,pO2,sO2に関して測定から報告,また結果の評価については一次的な急性変化を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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