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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻11号

2005年10月発行

文献概要

コラム

尿中脂肪検査(ズダンIII染色)

著者: 油野友二1

所属機関: 1金沢赤十字病院検査部

ページ範囲:P.1289 - P.1289

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日本臨床検査標準協議会JCCLS による尿沈渣検査法指針提案GP1-P3によると卵円形脂肪体(oval fat body)とは以下のように記載されている.

 「尿細管上皮細胞由来の脂肪顆粒細胞を特に卵円形脂肪体として区別している.本細胞はとくに重症ネフローゼ症候群患者尿に高率に認められ,有用な検査情報の一つに含まれている.ほかに重篤な糖尿病性腎症,Fabry病,Alport症候群などの患者尿にも出現する.」つまり脂肪顆粒を多く有する細胞(脂肪顆粒細胞)の中で尿細管上皮細胞由来と判断されるものを卵円形脂肪体としているわけだが,実際は形態学的所見では尿細管上皮細胞由来と判断できない場合も多い.一般的には尿蛋白質陽性例について卵円形脂肪体としているものと思われる.GP1-P3では脂肪顆粒細胞という分類はなく,分類不能細胞に属して脂肪顆粒を有するとういう所見を「脂肪顆粒細胞」とうい用語のコメントを付記するとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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