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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻12号

2005年11月発行

文献概要

今月の表紙

百聞は一見に如かず・23 病理が深く関わる乳癌治療

著者: 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.1366 - P.1366

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乳癌(breast cancer)は近年罹患率が上昇している癌の一つで,現在年間約30,000人に発症し,これは1970年の3倍に相当し,2015年には48,000人になると予想されている.しかし,幸いなことに乳癌の多くは他の癌(消化管の癌など)と比較して予後の良い癌であり,近年,診断や治療に大きな進歩がある.乳癌は乳腺組織から発生する悪性腫瘍の99%を占め,40ないし50歳代に発見されることが多く,触診,マンモグラフィ,超音波検査などを行い,最終的に確定診断するには穿刺吸引細胞診(fine-needle aspiration,FNA;aspiration biopsy cytology,ABC)あるいは生検がなされる.乳腺病変のなかには良性/悪性判定の非常に難しいものもあり,不必要な手術を極力避けるためにも慎重な診断が求められる.

 治療法は従来からの乳房切除術(拡大乳房切除術;胸筋合併乳房切除術;胸筋温存乳房切除術;全乳房切除術など)に加えて,限局性の病変では乳房温存手術(乳房扇状部分切除術;乳房円状部分切除術;腫瘤摘出術など)を行う機会が増えつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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