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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻12号

2005年11月発行

絵で見る免疫学 基礎編71

IgEを介したアレルギー反応 2.アレルギー抑制の要因

著者: 高木淳1 玉井一2

所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部 2栄光病院

ページ範囲:P.1380 - P.1381

文献概要

酵素活性を持つアレルゲン

 アレルギーのメカニズムがよく解明されていなかった1960年代の末に,洗剤製造工場や食肉をやわらかくするパパイン製造工場の従事者にアレルギー患者の多いことがわかった.その後1990年代の末に,洗剤の主な成分であるサブチロペプチダーゼAやパパインがIg(immunogloblin)Eの免疫応答を起こすことや,さらにダニの糞の主要なアレルゲンであるシステインプロテアーゼにパパインと分子相同性があることが解明された.

 これらの酵素(アレルゲン)は上皮細胞の細胞間結合組織を切断し,上皮下に存在する抗原提示細胞に取り込まれ選択的にTH2を活性化し,アレルゲンに対するIgE抗体を産生させる(図1).アレルゲンが再度侵入すると,マスト細胞上の特異的IgEに結合しマスト細胞を活性化する.しかし,すべてのアレルゲンが酵素とは限らず,フィラリアのアレルゲンなどは酵素のインヒビターであるなどまだ不明なことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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