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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻12号

2005年11月発行

文献概要

トピックス

PET検査

著者: 西澤貞彦1

所属機関: 1(財)浜松光医学財団 浜松PET検診センター

ページ範囲:P.1437 - P.1439

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はじめに

 PETとはpositron emission tomography(陽電子放出断層撮影法)の略で,陽電子(ポジトロン)を放出する放射性同位元素で標識された薬剤を体内に投与して,その分布や動態を画像化することによって,種々の生体機能やその異常に基づく病態を検査する画像診断法である.ごく微量の薬剤をトレーサー(追跡子)として用いることにより,生理機能や代謝系に影響を与えることなく検査できる特徴がある.CTやMRIなど形態画像に対して,PETは機能画像といわれる.1980年頃から主に脳や心臓の機能異常に基づく病態理解や診断のために研究的に用いられてきた.糖代謝の計測に用いられるFDG(fluorodeoxyglucose,フルオロデオキシグルコース)というブドウ糖の類似体が種々の悪性腫瘍に強く集積することが知られ,1990年代に全身の画像が比較的短時間で撮影できる装置の開発・改良が進むにつれ,癌診療におけるFDG-PET検査が脚光を浴びてきた.2002年に十種類の癌とてんかん,心不全の診断に保険適応が認められたことにより,PET装置を導入する病院はさらに増加している.最近では癌検診に使われることも多く,一般の人にも知られるようになってきている.

 本稿ではPETの原理・特徴,実際の検査法,臨床における適応と有用性などを概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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