icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻13号

2005年12月発行

文献概要

技術講座 微生物

淋菌の感受性検査

著者: 村谷哲郎1 松本哲朗1

所属機関: 1産業医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1451 - P.1457

文献購入ページに移動
新しい知見

 キノロン耐性株出現後の淋菌経口治療の切り札であった第三世代経口セフェムは,現在でも日本以外では耐性株がほとんど報告されていない.しかし,われわれは1999年5月に第三世代経口セフェムであるセフジニル(cefdinir)を使用したにもかかわらず無効であった症例を経験し,その翌月には,アズトレオナム(aztreonam)静注を行い無効であった症例を経験した1).これら2症例を経験した後,このような耐性淋菌は急速に広がり,現在わが国では4%に達している.その耐性機序はPBP-2の遺伝子penAの大部分が他のNeisseria属の遺伝子とキメラ化を起こしていることにある.これらと同様の薬剤感受性を示す株は,ハワイで4例報告されている2)だけであり,日本特有の耐性株である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?