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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻2号

2005年02月発行

文献概要

絵で見る免疫学 基礎編62

免疫記憶細胞(2) 記憶T細胞の素顔

著者: 高木淳1 玉井一2

所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部 2栄光病院

ページ範囲:P.124 - P.125

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犯人の捜査は犯人の特徴や住処などが記されている指名手配書を基にして彼が最も立ち寄りそうな場所から始めるであろう.記憶細胞の捜索は難航しなかなかその正体を見破ることができなかった.初感染により誘導された感作リンパ球が二回目の感染が起こるまで長寿を保っていることはよく知られていた.例えばワクチン投与による血清抗体価の持続時間から天然痘75年,はしか65年,黄熱病75年,ポリオ40年の間抗原の再感作なしにその抗体が維持されるという現象から記憶細胞の存在は推定されていたが,ナイーブT細胞,細胞障害性T細胞と記憶T細胞とを明確に区別することができなかった.

記憶 T細胞の素顔

 現在ナイーブT細胞,細胞障害性T細胞と記憶T細胞の素顔の解明はどこまで進んだのであろうか.最近CD45と呼ばれる細胞内に信号を送るレセプターの発現の有無が素顔の解明に大きな手がかりとなった.CD45にはRA型とRO型とがあり,ナイーブT細胞はRA型で,TCR(T cell receptor,T細胞受容体)から離れて発現されているが,細胞障害性T細胞と記憶T細胞とはTCRに凝集した形と機能が異なるRO型を持っており,TCRのシグナル伝達がされやすくなっている(図-b).したがって,ナイーブT細胞の区別はできるが,細胞障害性T細胞と記憶T細胞はともにCD45のRO型を発現しているので両者を区別することができなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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