文献詳細
文献概要
絵で見る免疫学 基礎編62
免疫記憶細胞(2) 記憶T細胞の素顔
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部 2栄光病院
ページ範囲:P.124 - P.125
文献購入ページに移動記憶 T細胞の素顔
現在ナイーブT細胞,細胞障害性T細胞と記憶T細胞の素顔の解明はどこまで進んだのであろうか.最近CD45と呼ばれる細胞内に信号を送るレセプターの発現の有無が素顔の解明に大きな手がかりとなった.CD45にはRA型とRO型とがあり,ナイーブT細胞はRA型で,TCR(T cell receptor,T細胞受容体)から離れて発現されているが,細胞障害性T細胞と記憶T細胞とはTCRに凝集した形と機能が異なるRO型を持っており,TCRのシグナル伝達がされやすくなっている(図-b).したがって,ナイーブT細胞の区別はできるが,細胞障害性T細胞と記憶T細胞はともにCD45のRO型を発現しているので両者を区別することができなかった.
掲載誌情報