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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻3号

2005年03月発行

文献概要

病気のはなし

アルコール性肝疾患

著者: 菊池真大1 堀江義則2 石井裕正1

所属機関: 1慶應義塾大学消化器内科 2永寿病院消化器内科

ページ範囲:P.228 - P.232

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新しい知見

 わが国のアルコール消費量は,経済成長,国民所得の増加,生活様式の変化などにより昭和20年代から急激な増加を示した.昭和60年代以降も従来飲酒機会の少なかった女性などへの飲酒習慣の普及などに伴って増加傾向を保っていた.最近のワインや発泡酒ブームはあるものの1992年頃から総消費量は横ばいを保っている.しかし,アルコール性肝障害の頻度は増加しており,比較的少量の飲酒で肝障害が惹起される女性や高齢者の大量(常習)飲酒がこの現象を引き起こしていると推察される.欧米ではウイルス性肝炎とアルコール性肝炎の合併が多くを占めるが,肝細胞癌を除き,その発生母体と考えられる肝硬変においても,肝炎ウイルスの関与は年々減少傾向にある.ウイルス性肝炎患者への禁酒,節酒指導がいき届いてきたと考えられる.今後は,女性や高齢者の大量(常習)飲酒者も含めた問題飲酒者への指導が重要である1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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