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絵で見る免疫学 基礎編63
免疫記憶細胞(3) 二つの記憶T細胞と記憶B細胞
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部 2栄光病院
ページ範囲:P.256 - P.257
文献購入ページに移動絶えず病原体に曝露される危険にあるのは体表面を覆う皮膚と体内の器官を覆う粘膜とである.消化管粘膜には“粘膜免疫装置”(gut-associated lymphoid tissue,GALT)がある.GALTにはリンパ節に相当するパイエル板(Peyer patch)など特殊なリンパ器官がある.リンパ節がケモカインと接着分子のリガンドとを発現して免疫細胞を誘導するナビゲーターシステムがあるように,皮膚と粘膜も同様なシステムで記憶T細胞を誘導していることがわかった.皮膚に誘導されるエフェクター記憶T細胞は接着分子CLA(cutaneous lymphocyte-associated antigen)およびα4β1インテグリンとケモカインレセプターCCR4とを発現している.粘膜に誘導されるエフェクター記憶T細胞は接着分子α4β7インテグリンとケモカインレセプターCCR5とを発現している(図1).二つのセントラル記憶T細胞が体表面と粘膜の免疫機構でどのような機能を発揮しているのか不明であるが,各々の免疫機構で特徴ある生体防衛機構を担当していることが想像される.
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