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百聞は一見に如かず・17 色鮮やかな病理形態診断
著者: 牛島友則1 松谷章司1
所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部
ページ範囲:P.414 - P.414
文献購入ページに移動本号では細胞診断の新しい魅力について述べる.
生検はほとんどの場合(時にinsufficient materialのことがあるが),病変が確実に採取されていることが前提であり,これに対する診断が最終診断となる.一方,細胞診断の中で剥離あるいは擦過細胞診は検体の採取が容易である反面,深部病変が反映されていないこともあり,所見がなくても病変陰性を必ずしも意味しないことは周知のことである.しかし,穿刺吸引細胞診は病変から細胞を効率よく採取することができ,生検組織診断に匹敵する確定診断も可能となっている領域が存在する.最近,この穿刺吸引細胞診の際の穿刺針やシリンジに残存する細胞をセルブロック(cell block),そして薄切標本とし,細胞学的所見に組織学的所見を加味して,細胞診断の精度向上を目指している施設が増えつつある.こうなると,病理形態診断という観点から,生検と穿刺吸引細胞診両者の大きな違いは細胞の採取方法だけといえるかもしれない.厚い塗抹標本で細胞像の評価が困難な検体や細胞異型の乏しい腫瘍細胞でもこの方法で構造異型性の有無を加味して検討すれば,細胞診検査法が従来から持ってきた限界を克服することができる.
生検はほとんどの場合(時にinsufficient materialのことがあるが),病変が確実に採取されていることが前提であり,これに対する診断が最終診断となる.一方,細胞診断の中で剥離あるいは擦過細胞診は検体の採取が容易である反面,深部病変が反映されていないこともあり,所見がなくても病変陰性を必ずしも意味しないことは周知のことである.しかし,穿刺吸引細胞診は病変から細胞を効率よく採取することができ,生検組織診断に匹敵する確定診断も可能となっている領域が存在する.最近,この穿刺吸引細胞診の際の穿刺針やシリンジに残存する細胞をセルブロック(cell block),そして薄切標本とし,細胞学的所見に組織学的所見を加味して,細胞診断の精度向上を目指している施設が増えつつある.こうなると,病理形態診断という観点から,生検と穿刺吸引細胞診両者の大きな違いは細胞の採取方法だけといえるかもしれない.厚い塗抹標本で細胞像の評価が困難な検体や細胞異型の乏しい腫瘍細胞でもこの方法で構造異型性の有無を加味して検討すれば,細胞診検査法が従来から持ってきた限界を克服することができる.
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