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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻5号

2005年05月発行

文献概要

技術講座 生理

脈波速度検査

著者: 藤代健太郎1 原田昌彦2

所属機関: 1東邦大学医学部教育開発室 2東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能学

ページ範囲:P.415 - P.420

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新しい知見

 脈波伝播速度測定法は血圧に依存する検査方法である.CAVI(cardio-ankle vascular index,心臓足首血管指数)法は,血圧依存を解消することを目的に開発された,上腕から足首で測定した脈波伝播速度値を用いた計測方法である.単位はm/sec2で示される.本法は,林紘三郎博士が考案した血圧に依存しない局所の血管弾性計測法であるstiffness parameter β1)を,脈波伝播速度値から導き出したものである.吉村法のcfPWVはPWV計測後に血圧で較正しているが,CAVIは計算時に圧と血管弾性の指数関数変化分を織り込んであると考えられ,算出後に較正の必要がない.CAVI値は腎臓透析療法の前後での血圧変動時にもほぼ一定の値を示すことから,血管硬化を示す指標としての有用性が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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