icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻5号

2005年05月発行

文献概要

トピックス

生活習慣病の血中マーカーとしての「高分子量アディポネクチン」

著者: 広瀬寛12 山本幸宏2 奥野武彦3

所属機関: 1慶應義塾大学保健管理センター 2慶應義塾大学医学部内科 3富士レビオ(株)商品開発部

ページ範囲:P.481 - P.483

文献購入ページに移動
はじめに

 インスリン抵抗性を基盤とした糖尿病,高血圧,脂質代謝異常といった生活習慣病の病態は,いずれも動脈硬化や心血管病の強力な危険因子である.しかも,それらの各因子は特定の個人に集積しやすくメタボリックシンドロームを呈し,それらの因子が重複するほど,動脈硬化による心血管病のリスクが相乗的に高まることが知られている.したがって,インスリン抵抗性を是正することは,動脈硬化や心血管病の予防や管理に際して非常に重要である.脂肪細胞は長い間,単なるエネルギーの貯蔵庫と考えられていたが,近年の研究の進歩によりアディポサイトカインと呼ばれる種々の生理活性物質〔遊離脂肪酸(free fatty acid,FFA),腫瘍懐死因子(tumor necrosis factor,TNF)-α,レプチン,PAI-1,アンジオテンシノゲン,アディポネクチン,レジスチンなど〕を合成・分泌する場であることが明らかとなった1)

 本稿では,アディポネクチンに関する国内外の報告およびわれわれの臨床知見を加えて概説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?